玉川上水 Photo Walk
玉川上水と江戸名所図会
 

 粋でいなせな江戸っ子の証は、玉川上水の水を飲むことでした。「玉川で産湯を浸かった」江戸っ子にとって、玉川上水はまさに水。実際、江戸の街では水を「玉」と呼んでいたと言われています。ですから、江戸名所図会に玉川上水の風景が載っているのは、決して不思議なことではないでしょう。江戸名所図会に描かれた玉川上水の風景をこのページで掲載いたします。挿絵にマウスを置くと彩色版が現れます。さらにクリックすれば別窓でより大きなイメージの彩色版がご覧いただけるようになっています

四谷大木戸

四谷大木戸
玉川上水は挿絵の中には上水は描かれていませんが、ここが玉川上水の終点です。江戸市中に入る甲州街道に石垣を積み上げ、「ここから江戸市中」をアピールしていました。明治5年に甲州街道拡幅のために撤去されるまで、甲州街道を行き交う人々で賑わいました

小金井橋春景

小金井橋春景
大正13年に国から名勝の指定を受けた「小金井桜」は、武蔵野新田開発の世話役だった川崎平右衛門が玉川上水の堤に植えたものでした。上水沿いの6kmあまりの桜並木は、江戸の昔から多くの花見客で賑わっていたといわれています。もちろん、現在も季節になると多くの人を集めます

小金井橋

小金井橋
挿絵には、特にタイトルは付けられていませんが、桜の季節の小金井橋が描かれた一枚です。小金井橋は現在も姿も変えて現存しています。現在、橋の近くには明治天皇の観桜に由来する御成の松跡があります。その少し下流には、名勝小金井桜の碑、櫻木接種碑などが建てられています